
彼らはとても凛々しい。
彼らは火の山の前に捨てられていた。
そこにゴールドカムがやってきた。彼女は32cm程しかない卵でも生きようとしていることを感じ取り、彼らを触るとゆらゆらと揺れた気がした。母親だと思ってくれたのだろうか。

彼らは好奇心旺盛だ。
母親となったゴールドカムは夜泣き、ご飯に苦戦していた。彼らはここには居ないどうぶつの肉を食べるので、代わりを見つけるのに時間がかかってしまった。まだ30cm程しかないがとてもイキイキとしている。最近は食べるものを見つけ、おやつ程度にここの虫など上げてみてはいるがあまり食べない。虫はここでは御馳走である。

彼らは睨み合っている。
彼女は喧嘩を止めるのに苦戦していた。もう50cm程にまで成長した2匹を見て大きくなったなーと感傷的になっていた。だが子育てはここからだったもとても大変だった。

彼らはとても大きい。
ゴールドカムは最近寝たきりになってしまっていた。そこに水や虫、幼い頃食べさせてもらった肉など色々な種類のものを持ってきていた。しかし食べない。口元に押し当ててみた、、、、食べない。鼻元に手を出してみた。何も感じない。「なぜ?なんで?なんで??なんで?なんで?なんで息してないの???」急にお母さんが起き上がった。良かった!生きてた!と思ったのも束の間。下になっていた部分はウジ虫がたかり、謎の生き物が入っていくのが見えた。
「お母さん?どうしたの?痛くないの?」、、、そう問いかけても何も返ってこない。「無視しないでよ!お母さん!」、、、なぜ?なんでこうなった?溜まった食料もウジ虫と謎の生き物の温床となっていた。母親の体から謎の生き物が顔を出した。「お前が元凶か!」と噛みつき、引っ張り出した。母親の体は力無く倒れた。「お母さん?悪いやつ居なくなったよ?ここから逃げよ?お母さん?ねえ、たって?お母さん?ねえ、、、ねえねえ、ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ、、、?寝ちゃってるのかな?仕方ないねお引越しは明日にしよっか!」そうして1週間、彼らは母親がもう起きないということを知らずに、ウジ虫がどれだけ集っても母親は起きると信じて、今日も明日を待ちわびている。あの謎の生き物が来ないように見張りながら。彼らは60年生き続ける。ゴールドカムの寿命は長く生きて40年。今もまだ母親が起きるのを待ち続けているのかもしれない。
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